仙台市の大型公園をキッチンカーで移動しながら、カフェを営業している「榊原珈琲」。店主の榊原さん夫妻は子育て真っ只中。本格的なコーヒーを提供するだけではなく、子育てイベントを行い、子育て中の方にワクワクするお楽しみと、ほっとする時間を提供しています。
本格珈琲が飲める「子育て応援カフェ」
7月のある日、勾当台公園に出店している「榊原珈琲」を訪ねると、緑の中に映える可愛い水色のバンと幟(のぼり)がすぐに見つかりました。
「榊原珈琲」は2021年10月にオープン。「夫婦でバイクに乗って山や海に出かけていたときに、仙台の街中にはカフェがあっても、郊外には少ない。ドライブやツーリングに出掛ける目的になるようなカフェをつくりたいと思いました」と、店主の榊原あかりさん。ご主人は20代からカフェをやりたいと考えていましたが、準備を始めたのは十数年後。子育て中だったことから「子育て応援カフェ」というコンセプトが生まれました。キッチンカーの前には、数冊の絵本とお絵描き用の黒板があります。
「榊原珈琲」は、青葉区の勾当台公園や西公園、泉区の七北田公園に週3~4回、不定期で出店しています。場所と日にちはInstagramとFacebookで随時お知らせしていますが、大雨などの悪天候により、予定日にお休みする場合もあります。
小さな窓口で販売しているコーヒーは自家焙煎のスペシャリティーコーヒー。フルーティーな香りとコクがありさわやかな「ブルンジ」、酸味と柔らかな苦みのバランスの良い「コロンビア」、カフェインレスの3種類でホットとアイス、ラテといったバリエーションがあります。ハンドドリップで1杯1杯丁寧に淹れてくれますが、お客さんの希望によりエアロプレスで淹れることも可能です。 コーヒー以外に、抹茶ラテ、ココアラテ、アイスティー、100%ジュースなど。コーヒーに合うおやつも販売しています。
宝物を見つけるとお菓子のプレゼント
公園にあるオープンエアのカフェは、誰でも気軽に利用できます。「子ども連れでカフェには入りにくい方も気を使わずに利用していただけます。お子さんが走り回っても、泣いても大丈夫。お子さんが遊ぶのを見守りながら、ゆっくりコーヒーを飲んでひと休みできます」
特徴は、子ども連れにお楽しみを用意していること。公園で子どもが見つけた宝物をコーヒー屋さんに伝えると、お菓子をプレゼントするイベントです。
「どんぐりや葉っぱ、落ち葉、植物、生き物など、宝物は特別なものじゃなくていいんです。子どもの目線で見ると、大人が気づかないような発見があって、仙台のような都会でも、いろんな自然があると気づかされます。『今日は何もやることがないけど、子どもと一緒に公園に行ってみよう。今日はコーヒー屋さんいるかな?お菓子がもらえるから何か探してみよう』と楽しみに来てもらえたらうれしいです」
子育てで疲れた母親に息抜きの時間を
3歳までは子どもと一緒にいてほしいというご主人の希望もあり、主婦・子育てに専念していたあかりさん。コロナウイルス感染症が蔓延して、外出や人との接触が制限される状況で、小学校が休校になり、近所の小さい公園や児童館は混み合っていました。
「児童館に行ってもいっぱいで乳幼児は入館を断られショックでした。行けるのは広い公園や山や海くらい。子どもと1日中家の中に閉じこもっているとストレスがたまり、子どもを怒って自己嫌悪に陥ったりもしました」
お子さんが幼稚園に入園し、ようやくカフェを始めることに。それでも、店舗を構えて毎日営業するのは難しく、週1~2回のキッチンカーから始めることにしました。
「自分が子育てで大変だったことを思い出し、子育てで疲れたお母さんが少しでもほっと息をつける場と時間を提供できたら。子どもと一緒にどこかに出掛けたいときに、Instagramなどをチェックして公園に来て、コーヒー屋さんを見つける。そんなふうに、ちょっとした楽しいお出掛けのきっかけになればうれしいです」。気さくなあかりさんと、子育てトークができるかもしれません。
ライター/青葉桜
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榊原珈琲
営業/不定期。出店場所、日程等、詳細はInstagram、Facebookで要確認
Instagram/https://www.instagram.com/sakakibara_coffee/
Facebook/https://www.facebook.com/profile.php?id=100063858740217