「医食同源」の言葉通り、食べるものが健康に与える影響はとても大きなもの。
「子どもにも、体にいいものを食べさせたい!」と考えるママやパパも多いのではないでしょうか。
そこで、漢方理論から導く、この時期、子どもたちに食べさせたい「子ども薬膳」をご紹介。漢方臨床指導士・漢方カウンセラーとしてさまざまな人たちの体の不調に耳を傾け、改善へと導いている大町桜花枝さんに季節ごとの薬膳についてうかがいます。
秋は、心身のバランスが乱れがちに
まだまだ暑い日が続きますが、立秋を過ぎたことから、季節はもう「秋」です。
草木に朝露がつき、植物は実をつけて収穫期を迎えることになります。
夏の間に溢れていた「陽の気」が少なくなり、その代わりに陰の気が増える時期となります。
陰の気が影響し、心身のバランスは乱れやすくなり、不眠や疲労倦怠感、肌トラブルなどが表れやすくなります。陰陽のバランスの変わり目は、身体だけでなく情緒も乱します。長い冬に備えて身体の中にエネルギーを貯めるためにも、早寝を心がけ、穏やかに過ごしましょう。
また、秋の乾いた空気はバリア機能を持つ肺や、喉、腸に負担をかけます。さらに夏の冷房や冷たいものの食事などで基礎体力、免疫力が衰えてしまっているため、気を補う「うるおい」を与えることがキーポイントとなります。
秋のおすすめ食材は…
食事ではサンマ、鮭、豚肉、山芋など気を補ってくれるもの、ぶどう、桃、梨やりんごなどの身体にうるおいを与えてくれる果物などがオススメ。さらに肺の強化を助けてくれる大根やれんこん、白菜など『白い食材』をうまく活用し、乾燥と寒暖差の季節を乗り切りましょう。
おすすめは、鮭と白菜のホイル焼き。
アルミホイルに鮭の切り身と白菜、旬のきのこを入れて、酒、みそ、砂糖を溶いた調味液をかけ、フライパンで焼けば完成です。
ごはんが進むおかずで、身体も整えましょう。
また、食事ではありませんが、この時期、ぜひお子さんと試してほしいのが、「乾布摩擦」。
乾いたタオルなどで皮膚を優しくこする『乾布摩擦』は皮膚を刺激する事で密接な関係にある肺を強化し、風邪予防、免疫力アップ効果が期待できます。ゴシゴシではなく優しくこするだけで大丈夫ですので、ぜひやってみてくださいね。
話し手/大町桜花枝(おおまちさかえ)さん
漢方臨床指導士・漢方カウンセラー。自らの不定愁訴をきっかけに漢方を学び始めて実践したところ、体の不調が改善。主に女性の体調不良の相談に乗っている。中学生の男の子のママでもある。
聞き手/ライター 岡沼美樹恵