11月に入っても夏日を記録するなど、異例の気温が続いた2023年。一気に冬の足音が聞こえてきた今日この頃ですが、今度は急な気温の変化についていけず、体調を崩してしまう人も多いのではないでしょうか。
大人ですら風邪をひきやすいこの時期。幼稚園や小学校に通うお子さんは、風邪だけでなくインフルエンザなどの感染症をもらってきてしまう…ということも少なくありません。そこで重要なのが、子どもたちの免疫力をあげること。免疫力アップには、食事や睡眠、ストレスケアなどの生活習慣を見直すことが大切です。今回は、免疫力アップに効果的な発酵食品について紹介します。
発酵食品といえば、納豆やみそ、漬物など日本に古くから伝わっている食品がその代表選手。納豆やみそは日常的に食べていても、漬物を食事に取り入れているお子さんはそう多くないかもしれません。そこで、仙台市青葉区愛子に店舗を構える「すみれ醗酵本店」を訪ね、発酵食品の効果について伺いました。
お店の“看板娘”である菊地幸子さんは、自身のお母さまの介護を通して、食の大切さに気付いたと言います。「私の母が病気になって、トマトやニンジンでつくった『食べドレ』を開発したの。もちろん母のためだけにつくったものだから、そのときは商品化するなんて思ってもみなかったし、それが発酵食品だなんてわかっていなかったのね。余命2年と宣告を受けた母は、結局12年生きましたよ。その後私は結婚したんだけれど、夫は体が弱くてね。それで母の介護の時に食べさせていた『食べドレ』を夫のためにつくろうと思ったの。そしたら夫はそれ以降、風邪ひとつひかないようになったのよ」。
幸子さんの夫である和夫さんは、幸子さんの「食べドレ」を研究所に持ち込みました。すると、なんと植物性の乳酸菌がいることがわかったのです。その乳酸菌は、宮城県産業技術総合センターにて、2008年4月に「ラクトパチルス プランタラム スミレ株」と命名されました。そして、2008年度12回みやぎものづくり大賞加工食品部門にて優秀賞を受賞しました。
さらに幸子さんは、この「ラクトパチルス プランタラム スミレ株」を使ったぬか床「家元 菫ノ糠床(すみれのぬかどこ)」を開発。
「このぬか床は、毎日かき混ぜたりしなくていいんです。ぬか漬けってとても手間がかかるイメージがあると思うんですけれど、これは本当に楽。ゆで卵やふかしたジャガイモを漬けるととてもおいしくて、お子さんもよく食べてくれますよ」。
さらに幸子さんはこう続けます。「スーパーマーケットやコンビニで売っているものは、基本的に添加物が多くて、腸に汚れが蓄積してしまいます。そうすると免疫力が落ちてしまって、病気にかかりやすくなったり、病気から快復しにくくなったりするんです。『食べドレ』はオリーブオイルと和えてドレッシングにしたり、お水で割ってドリンクにしたり、納豆のタレ代わりに使ってもいい。日常的に発酵食品を取ることで、免疫力をあげ、ウイルスに負けないからだをつくってほしいです。お子さんは特に、これからの季節気を付けてあげてほしいですね」。
日本人から古来から慣れ親しんできた発酵食品。ぜひ積極的に日常の食事に取り入れて健康的に過ごしましょう。
施設情報
すみれ醗酵本店
住所/宮城県仙台市青葉区上愛子字新宮前10-1
TEL/022-391-7522
営業時間/月~金 10:00~17:30 土曜 10:00~16:30
定休日/日曜定休