「医食同源」の言葉通り、食べるものが健康に与える影響はとても大きなもの。
「子どもにも、体にいいものを食べさせたい!」と考えるママやパパも多いのではないでしょうか。
そこで、漢方理論から導く、この時期、子どもたちに食べさせたい「子ども薬膳」をご紹介。漢方上級スタイリストとしてさまざまな人たちの体の不調に耳を傾け、改善へと導いている大町桜花枝さんに、春の対策を伺いました。
「自律神経のバランス調整」の役割のある【肝】に注目
立春を過ぎて暖かな日も増え、春の訪れが近くなりました。
冬眠していた動物たちが動き出し、草木が芽吹くのが春です。人も冬の間あらゆる機能が緩やかになっていた状態からようやく活発に動くモードへと切り替わります。緩やかになっていた分、身体は老廃物などで滞りがちに。そんな春は『解毒』と『自律神経のバランス調整』の役割のある【肝】に注目しましょう。
活発モードへとエンジンがかかると、【肝】の気が高ぶりやすくなります。この気の高ぶりは上へあがる傾向があるためイライラ、目の充血、不眠、花粉症など頭部に症状が出やすく、また血圧の上昇などが現れます。よく怒る表現で「頭にくる」という言葉を使います。これは、肝の気の上昇が招くイライラの症状。この肝の高ぶりを緩やかにすることがこの季節は重要です。
対策としては、ゆったりと散歩をしたり、アロマやハーブなどを取り入れたり、新鮮な空気をたっぷり呼吸したりすることを心掛けてください。
【肝】が高ぶるこの季節におすすめの食材は、ニラやもやしなど成長の早い野菜。また、肝の気を抑え、血を補う食材であるあさりやほうれん草や小松菜などもおすすめです。
また、血をつかさどる【肝】を助ける食材として積極的に摂ったほうがいいのが赤い食材。赤食材の代表選手であるいちごは適度に酸味もあり、適度に高ぶりを抑えてくれます。
これらの食材を使用しつつ、子どもでも食べやすいレシピとしておすすめなのが、「ニラともやしのチーズチヂミ」「ほうれん草ともやしのナムル」「いちごミルクプリン」です。
まずは、「ニラともやしのチーズチヂミ」。材料は、
・ニラ
・もやし
・とろけるチーズ
・小麦粉☆
・片栗粉(小麦粉の半量)☆
・鶏がらスープの素(韓国のダシダだとより本格的な味に)
・水☆
☆でチヂミの生地をつくります。もちろん、市販のチヂミの素でもOK。ニラを食べやすい大きさに切ったらもやしととろけるチーズを合わせて生地に入れて混ぜ、ごま油をひいたフライパンで焼きます。チーズの塩味と顆粒スープがよい感じでタレなしでも十分なのですが、お好みで酢醤油をつけてもおいしいですよ。
そして「ほうれん草ともやしのナムル」。材料は、
・ほうれん草
・もやし
・ハム
・鶏がらスープの素☆
・醤油☆
・ごま油☆
・ごま☆
ほうれん草ともやしをゆで、水気を切り、ボウルへ。☆の材料を入れて味を調え、刻んだハムと和えたら出来上がり。我が家では、ハムを入れたとたんに子どもがパクパク食べてくれたので、野菜が苦手なお子さんにもおすすめです。
最後は「いちごミルクプリン」。材料は
・いちご
・牛乳
・砂糖(はちみつやガムシロップでも可)
・ゼラチン
いちごを刻んで(面倒なら、手やスプーンの背で潰してもOK)砂糖と合わせ、500wのレンジで2分加熱します。そこに牛乳を合わせ、お好みの味に調えます。ゼラチンを適量水で溶いておいてレンジで10秒ほど加熱し、いちごミルクに加えてよく混ぜます。冷蔵庫で2時間ほど冷やせば出来上がり。我が家ではお料理にもスイーツにも黒糖を使用しているため、色合いは微妙かも…ですが、おいしいですよ。
どれも簡単にできてしまう一品ですので、お子さんと一緒に楽しみながらつくってみてくださいね。
話し手/大町桜花枝さん
漢方臨床指導士・漢方カウンセラー。自らの不定愁訴をきっかけに漢方を学び始めて実践したところ、体の不調が改善。主に女性の体調不良の相談に乗っている。中学生の男の子のママでもある。
聞き手・ライター/岡沼美樹恵