小さく生まれた赤ちゃんに、やさしい肌着を 一般社団法人「くるむ」

赤ちゃんの手とママの指

日本では、年間約73万人弱の赤ちゃんが誕生し、そのうちの約9%が2,500グラム未満で生まれる低出生体重児といわれています。日本は世界各国と比較しても世界平均の6.6%(経済協力開発機構37か国)と比べても高い数字といわざるを得ません。

小さく生まれた赤ちゃんはNICUと呼ばれる新生児集中治療室に入院することが多く、NICUでは裸にオムツだけをつけた状態で治療を受けている赤ちゃんもたくさんいます。

一般社団法人「くるむ」は、裸で治療を受けている小さな赤ちゃんに、かわいらしい肌着を着せてあげたい、という活動を行っています。

一般社団法人「くるむ」代表理事の佐藤さん

そのきっかけは、代表の佐藤里麻さんがご長男を低出生体重児として出産し、NICUに入って治療を受けていたことに事を発します。

「出産直後からNICUに入っていた長男をはじめ、ほかの赤ちゃんも裸でおむつをしている状態で入院していたのですが、たまたま私が妊娠中に『赤ちゃんが大きくなってくれないんだ…』と妹に話したところ、通常の赤ちゃんの肌着の型紙を縮小コピーして、手ぬぐいで小さな肌着をつくってくれたんです。妹の気持ちがうれしかったし、なによりも息子にぴったりのサイズ。先生に『記念撮影だけでもいいから、着せてみてもいいですか?』とドキドキしながら聞いたら、満面の笑みで『洋服があるんだったら、着せていいんだよ!』とおっしゃってくれて。小さいサイズはなかなかないし、普通サイズだとブカブカで悲しくなるから…という事情があったようなんです。

それで息子にお洋服を着せてみたら、“見ているだけの面会”が“子育て”に変わったんです。これすごいな!って感動しました。なにより、着せた服を家に持って帰って匂いを嗅いだときにグッと子育てがリアルになったんです。『私、赤ちゃんいるんだよね』って。それで、小さな赤ちゃんに服を着せていいことを知らないお母さんたちも多いから、これを絶対に広めたいって思ったんです」と、佐藤さんは話します。

長男に着せた服を持ち帰って選択したり、着せる服を選んだり…と、「普通の子育てでは当たり前のことが私にはすごく幸せな仕事だった」と話す佐藤さん。

国立医療科学院が発表した資料によると、出生時に母子が離れ離れであったことにより、帰宅後の虐待リスクも高くなる傾向があるそう。佐藤さんも「赤ちゃんを産んだからって、最大限の愛情を持てるわけではないと思うんですね。赤ちゃんの匂いを嗅いだり、表情を見て心を揺さぶられたり…っていうことの積み重ねでどんどんかわいくなっていくんです。でも、赤ちゃんがNICUに入っていると、そのプロセスがすっぽり抜けてしまう。だから、退院するときに、自分の赤ちゃんをかわいいと思えないお母さんも辛いと思うんです。生まれた直後から、赤ちゃんとスキンシップを重ねるのは絶対に悪いことではないので、そのきっかけつくることができたら…と思って『くるむ』を立ち上げました」。

「くるむ」のオンラインショップで購入可能な肌着

くるむでは、国産の綿を100%使用し、国内で丁寧に縫製した赤ちゃんの肌着を製造販売しています。また、医療機関との連携を促進させ、お母さんたちががんばらなくても小さな肌着が手元に届くような仕組みづくりも行っています。

たくさんの人たちの、小さな赤ちゃんとその家族を思う気持ちでできた。やさしい肌着。小さな赤ちゃんを迎えたご家族への贈り物にもぴったりですよ。

一般社団法人くるむ

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