大切な子どもを預ける保育園についてもっと知りたい。そんな声にこたえて「まちのび」では、仙台市の保育園を訪問し、スタッフの声を通して園の特徴や保育を支える環境などをレポートしています。
今回は、「シャロームの杜ほいくえん」の加藤陽子園長のインタビューの後編です。
相手の話を聞いて受け止める姿勢を大事に
Q: 保育園の自慢は?
A:先生方の子どもに対する目線が優しく、「まずは子どものどんな気持ちも受け入れる」という姿勢です。また、みなさん元気で楽しい方たちで、保護者から「先生方、仲がいいですね」「楽しそうに働いていますね」などと言われています。
さらに言うと、職員同士はもちろんのこと、「職員と保護者も仕事を持つ親という点では同じ」と考えて接しているところが自慢です。
例えばお母さんが残業続きでつらいとき、園は子どもを預かる時間が長くなり負担が増えますが、職員は「お母さん、残業で大変だね」「お子さんとの時間が取れなくてつらいね」と保護者の立場でとことん話聞いて、同じ働くママ同士、少しでも気持ちを軽くしてあげようとしています。
保育士も心のゆとりを大事にする
Q: 保育士の労働環境にも努めていると伺いました。
A:子どもたちが心から笑顔になるには、ママはもちろん、保育士にもゆとりがあることが大事です。
保育士不足と言われていますが、保育士の資格を持つ人はたくさんいるのに、働く環境などが原因で辞める人が多くいると思います。「シャロームの杜ほいくえん」では、基本的には残業をしない、仕事を家に持ち帰らない、休憩時間や有給休暇はきちんと取る、研修は勤務時間としてカウントすることを実践しています。
保育園の立ち上げからしばらくは、そういう方針を掲げても残業しないと間に合わないほどの仕事量で私自身悩みましたが、職員たちは諦めずとにかく工夫に工夫を重ねて、質の良い保育をキープしながらも休憩時間の確保やノー残業ができるよう、職員がとても頑張ってくれました。
そんな努力をみんなで行い、労働環境を良くすることが、職員のやる気につながって、みなさんが辞めずに続けていられるんだと思います。
保護者や子どもだけではなく職員もその家族も大事にする保育園でありたい。話し合って職員がいいと思うことはどんどん採り入れていきたいです。
子育てを一人で抱えず、周りの力を借りて
Q: 保育園の仕事でどんなときに楽しいと感じますか?
A: 子どもの心からの笑顔を見るときや、成長していく姿を見るとき。また、保護者がわが子を保育園に預けて社会とつながることでイキイキする姿を見たり、悩みを話してくれて元気になる姿を見ることなどがうれしく、私たちも元気をもらっています。
シャロームの杜ほいくえんは、ママが相談する人で保育園が解決する人という関係ではありません。一緒に考えて保護者の方が選択する、それを下支えするのが保育園の役割です。
もし、もうどうしていいかわからないママがいたら、ママはどうしたいのか、一番困ってるのは何なのかを一つひとつひも解いて、ママが自分で子育てをする力を応援しています。
Q:子育てしているお母さんにメッセージをお願いします。
A:私自身、障がいを持つ子どもを育てる中で、いろいろな人の力を借りて一緒に育ててもらってとても心強かった経験があります。大変なことは一人で抱えず、たまには保育園やコレクティブスペースでいろいろな人と話をして支え合うことで子育てを楽しめたらいいなと思っています。
施設情報
「シャロームの杜(もり)ほいくえん」
住所/仙台市宮城野区田子西一丁目12-3
園児数/定員19名
職員数/12名
対象年齢/6カ月~2歳児
保育内容/月極保育、延長保育
開園日/月~土曜日
開園時間/7:30~18:30
延長保育/有(月~金曜日の18:30~19:00)
TEL/022-357-0920(9:00~17:00)
ホームページ/https://www.ainest.jp/hoikuen
Instagram URL/https://www.instagram.com/sharo_munomorihoikuen/
取材協力及び写真提供/「シャロームの杜(もり)ほいくえん」
ライター/青葉 桜