注目の保育園 園長インタビュー 仙台市「シャロームの杜ほいくえん」前編

子どもが心身ともにスクスク育つ大切な時期を過ごす保育園は慎重に選びたいですね。けれども、選ぶ基準がわからない、実態がわからないと不安に思う保護者も多いのではないでしょうか。

「まちのび」では、仙台市の保育園を訪問し、日々子どもたちと関わるスタッフに話を伺い、園の特徴や保育を支える環境などをレポートします。

今回は、仙台市宮城野区田子西にある「シャロームの杜ほいくえん」を紹介します。

多世代と触れあい友達を広げる保育園

「シャロームの杜ほいくえん」は仙台市宮城野区田子西の「OpenVillage ノキシタ(以降、ノキシタ)」内にあります。仙台市宮城野区田子西地区は、東日本大震災で被災した方が多く移住してきた比較的新しいまちで「ノキシタ」は、緑豊かな敷地内に「コレクティブスペースエンガワ」「障がい者サポートセンター」「カフェ」「保育園」が集まる共生型の複合施設。

ノキシタのオープンと同じ2019年(令和元年)5月に開園、幅広い層の多様な人と触れ合えるアットホームな保育園。「シャロームの杜ほいくえん」園長の加藤陽子さんにお話を伺いました。

Q: 「シャロームの杜ほいくえん」は、どんな保育園ですか?

A:今、核家族が多いなか、「シャロームの杜ほいくえん」は、さまざまな年齢の方、障害をお持もちの方、地域のお年寄り、国籍の違う方など、いろんな方と普段から接して、人の優しさを感じ、多様性を自然に受け止める経験を積み重ねていける環境があります。イングリッシュタイムで定期的に外国人講師と触れあうのもひとつの経験です。

多様な人たちと触れ合う

世の中には、いろいろな背景の方がいます。ただ、普段接する機会が少ないんですね。そんな方たちと楽しい経験を重ねてその方を好きになれると、幅広いお友だちが作れるでしょうし、不必要な偏見を持たずに大きくなることが出来て、それは、本人はもちろんのこと、その子の周りの人たちの幸せにもつながるんじゃないでしょうか?

子どもたちの個性や関心に合わせた保育

Q: 子どもたちが大好きな取り組みは?

A:例えば「絵本プロジェクト」では、子どもたちの興味や個性に合う絵本をたくさん用意します。去年は電車が好きな子どもたちが多く、電車の絵本をテーブルにたくさん広げて、あれこれ話が弾みました。入園時には本に興味がなかったお子さんが自然に本を好きになるといった変化も見られましたね。

卒園式も電車をテーマにしたオリジナルの式にしたので、イベントの雰囲気が苦手なお子さんも楽しく参加できました。

絵本を通しておしゃべりの花が咲く

保育園の主人公は子どもたち。その時々で変化する子どもたちの興味を良く見て、楽しめることや好きなことを伸ばせるような経験をさせてあげたいですね。

完全給食、地域の方と野菜の収穫体験も

Q: 食育の取り組みを教えてください。

A:給食は完全給食です。気候の良い時期は、時々ノキシタの庭でピクニックをします。そのときも保護者に負担が無いように、園で作った給食をみんなで一緒に自分用のお弁当箱に詰めて持って行くんですよ。そんな子どもたちの様子を見て、コレクティブスペースの利用者さんや他の事業所のスタッフさんたちが子どもたちに話しかけてくれたりしています。

コレクティブスペースの利用者さんと楽しい芋ほり

「ノキシタの畑」やコレクティブスペースの近くには、地域の方が楽しみで作った様々な野菜が育っていて、それをその地域の方と一緒に収穫して楽しんでいます。また、地域の農家さんも協力してくださって、ご自宅の畑の野菜の収穫もさせてもらっています。

収穫した野菜は調理して給食に出したり、栽培した農家の方にお礼としておすそ分けしています。

「ノキシタ」は、やってもらう場所ではなくお互いに役に立つ関係を目指しています。職員と保護者、地域の方、ボランティアさん、みんな「お互いさま」という意識で、大きな家族みたいに接することができたらと思っています。

明日もひきつづき、「シャロームの杜ほいくえん」の加藤園長のインタビューをお伝えします。

施設情報

「シャロームの杜(もり)ほいくえん」

住所/仙台市宮城野区田子西一丁目12-3
園児数/定員19名
職員数/12名
対象年齢/6カ月~2歳児
保育内容/月極保育、延長保育
開園日/月~土曜日
開園時間/7:30~18:30
延長保育/有(月~金曜日の18:30~19:00)
TEL/022-357-0920(9:00~17:00)
ホームページ/https://www.ainest.jp/hoikuen
Instagram URL/https://www.instagram.com/sharo_munomorihoikuen/


取材協力及び写真提供/「シャロームの杜(もり)ほいくえん」
ライター/青葉 桜