夏のドライブ、水遊び、熱中症!子どもを事故から守ろう

先日、小さいお子さんが車の窓に首をはさまれて搬送先で亡くなるという痛ましい事故がありましたね。こういった事故が起きないよう、以前から、「チャイルドシートを正しく装着すること」「車のドアやパワーウインドウを閉める際は、子どもにひと声かけて、様子を確認してから操作しましょう」と消費者庁などが呼びかけていました。つい運転に気をとられがちですが、過信や不注意、一瞬の気のゆるみが、万が一の事故につながることも。身近な危険を確認し、楽しい夏を過ごしましょう。

天気のいい日は屋外で遊びたい

厚生労働省の調査によると、子ども(0歳~14歳)の不慮の事故で多いのが以下の事故です。

〇窒息事故
ベッドと壁のすき間などにはさまれたり、うつぶせ寝でやわらかい寝具に顔が埋もれる事故、食べ物などの誤飲、ミルクの吐き戻しによる窒息も。

〇建物からの転落事故
マンションのベランダや戸建ての2階の窓や出窓から転落などがあります。

〇溺水(溺死)事故
入浴中にちょっと目を離した際に浴槽での溺水、海や川、池など自然水域での溺水など。

他にもいろいろな事故や危険がありますが、特にこれからの季節に気をつけたい、ドライブでの注意、海や川などでの溺水事故防止、熱中症について注意事項を確認しましょう。

■子どもと車でお出かけで気をつけることは?

お母さんが運転する車に乗ったり、家族で車で出掛けるとき、お子さんをチャイルドシート、シートベルトを装着して固定するのがかわいそうにみえることもあると思いますが、シートベルトをしめなかったことから、車の外に投げ出されたり、椅子に身体をぶつけて大けがになることもあるので、必ず正しく装着しましょう。

チャイルドシートは正しく装着

【車でドライブ時に事故を防ぐポイント】

・子どもを抱っこしての乗車、抱っこしたままシートベルトを締めない。
・6歳になるまでは短時間でも必ずチャイルドシート(ジュニアシート)を使用する。
・車のドアやパワーウインドウに指や首が挟まれないよう開閉に注意。子どもが自分で操作できないようロック機能を活用。車の窓から顔を出すのもNG。
・子どもだけを車内に残して車を降りる、離れるのは短時間でもやめること。
・車に酔わないよう、気分が悪くなったら車を止めて休憩しよう。
・駐車場はたくさんの車が出入りして、運転する人から見えにくい場所がたくさんあり事故が起きやすい場所。立体駐車場の台には近づかないで、必ず大人と一緒に行動を。

■海や川で楽しく安全に遊ぶには?

これから夏にかけて、子どもたちと海や川、沼、プールなどに出掛ける機会が増える時期。必ず大人が付添い、危険な場所には近づかないようにしましょう。子どもは自分がおぼれても、その状況を把握できず、声を出したりもがいたりせず、静かにおぼれると言われています。だからこそ、子どもから目を離さないで一刻も早く事故に気づくよう大人は十分に注意しましょう。

子どもから目を離さないで

【水辺の事故を防ぐポイント】

・天候の変化に気をつけて、悪天候のときは遊ばないようにする。
・事前に危険な場所を確認すること。立ち入り禁止の場所、危険な場所には近づかない。海水浴は監視員が常駐する海水浴場で泳ごう。
・沖に流れる海水の強い流れに気をつける。川は急に深くなる所、滑りやすい所があり、急な増水で水没する恐れもあるので、危機意識をもって。
・川で遊ぶ時、ボートに乗るときはライフジャケットを正しく着用する。

■夏の暑い日は室内でも外出時も熱中症に注意して

熱中症は、体温が上昇し、めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気、意識障害、けいれん、腹痛、嘔吐、しびれなどの症状があり、症状が重いと入院して集中治療をする場合もあります。

大人も子どももかかりますが、子どもは慎重が低く地面に近いため、アスファルトなどの照り返しを強く受け特に体温を調節する機能が未発達で、身体に熱がこもりやすくなります。子どもは自分の体調の異変が分からない場合があるので、大人が気をつけて早めに熱中症のサインに気づく必要があります。

水分補給はこまめに

【熱中症を防ぐポイント】

・普段いる部屋には温度計を置いて、温度をこまめにチェック!
・室温28℃を目安に、エアコンや扇風機はためらわずに活用する。
・喉が渇かなくても、こまめに水分補給を。
・外出時は涼しく風が通る服装、帽子や日傘など日よけ対策も工夫する。
・炎天下に長時間いることは避けて、疲れたら適度に休憩をとる。
・熱中症アラートが発表されたら、いつも以上に熱中症予防に努めよう。

体調の変化に気をつけて

【熱中症かな?と思ったら】

・外にいる場合は日陰で風通しが良く涼しい場所に移動する。
・しめつける衣服は緩め、安静にする。
・家にいる場合は、冷房、扇風機、うちわであおぐなど、身体を冷やす。
・首や両脇、そけい部などの太い血管がある場所を冷やす。
・水分と同時に塩分も補給できる経口保水液を飲む。

以上のポイントをおさえて、事故に気をつけながら、夏のレジャー、楽しく過ごしてくださいね。

参考資料

◆子どもの不慮の事故の発生傾向 ~厚生労働省「人口動態調査」 令和4年度 子供の事故防止に関する関係府省庁連絡会議令和5年3月29日 消費者庁消費者安全課
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/27467e16-c442-413b-9cf2-07f6edb24e26/38926ebb/councilschild-safety-actions-review-meetings2023_03.pdf

◆こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック 子ども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/0ea9d385-e75d-4c16-9f35-92c09d931ef4/e32a7ec2/20240129_policies_child-safety-actions_handbook_06.pdf