子どもの紫外線対策、大丈夫?

サングラスをかけた子ども

5月ころから次第に強くなっていく紫外線。紫外線は、私たちの生活に欠かせない太陽光の一部ではありますが、過度に浴びることは健康にさまざまな悪影響を及ぼします。特に、子どもの紫外線予防は非常に重要で、日本小児科学会でも保育園、幼稚園、学校宛てに適切な紫外線対策を行うよう促す統一見解を出しています。今回は、紫外線がなぜ肌に悪影響を及ぼすのか、効果的な対策などを考えていきます。

紫外線の種類と影響

まず、紫外線には主にUVA、UVB、UVCの3種類があります。このうちのUVAとUVBが、私たちの肌に影響を与えるのです。UVAは肌の奥深くにまで届き、長期的には皮膚の老化やシワの原因となります。一方、UVBは表皮に強く作用し、日焼けや皮膚がんのリスクを高めるといわれています。子どもの肌は大人よりも薄く、これらの影響を受けやすいため、特に注意が必要なのです。

紫外線のリスク

では、子どもが紫外線をたくさん浴びるとどのような影響がでるのでしょうか。

まずは、日焼けによる皮膚の炎症、痛みなどが生じます。さらに、紫外線によるダメージは蓄積していくので、将来的に皮膚がんのリスクが高まる可能性があります。特に子どものうちに大量の紫外線を浴びることは、将来の皮膚がん発症リスクを高める可能性もあるのです。紫外線によるダメージは細胞レベルで変化を引き起こし、DNAに損傷を与えるため、小さいうちから予防することが重要だといえるでしょう。

紫外線予防、どうする?

長袖や帽子の着用

日差しの強い日には、長袖のシャツや長ズボン、つばの広い帽子を着せてあげるようにしましょう。直接的な紫外線の影響を最小限に抑えることができます。

日焼け止めの使用

日焼け止めは、低刺激性と書いてあるものを選び、日常の生活ではSPF15~20、PA++、海や山ではSPF20~40、PA++~+++を目安にしましょう。外出時には、SPF30以上の日焼け止めを肌に塗りましょう。顔、首、腕、足など、露出する部分には入念に。また、汗や水で流れてしまうため、日焼け止めを持ち歩き、2〜3時間おきに塗り直すことも忘れないようにしましょう。日焼け止めの上手な塗り方は、先述の日本小児科学会のウェブサイトに掲載されているので、参考にしてみてくださいね。

日陰の活用

直射日光を避けるために、日陰で過ごす時間を増やすことも効果的です。特に午前10時から午後2時の間は紫外線が最も強いため、この時間帯の外出を避けるか、日陰で過ごすように心がけましょう。

サングラスの着用

目も紫外線によるダメージを受けやすいため、UVカット機能のあるサングラスをかけることも大切です。紫外線による将来的な眼の病気(白内障、翼状片、網膜のメラノーマというガンなど)のリスクを軽減することができます。

子どもの紫外線予防は、将来の健康を守るために欠かせません。適度に太陽光を浴びることは大切ですが、適切な紫外線予防策を行い、日焼けや皮膚がんのリスクを減らすように心がけたいですね。