子どもの「遊び食べ」にどう対処する?

初めての育児、子育ては不安や悩みが尽きないもの。まちのびでは、宮城県・仙台市で保育・家事代行サービスを行う「Family Sitter仙台」にご協力いただき、子育ての先輩で、保育士・幼稚園教諭の資格をもつプロに子育ての悩みを軽くするヒントや対処法、乗り越える気持ちの持ち方などを教えていただきます。

第1回目の今回は「子どもの遊び食べ」について、「Family Sitter仙台」保育家事代行事業部の髙橋愛さん(あい先生)にお話をうかがいました。

髙橋愛さん(あい先生)。保育士・幼稚園教諭の資格を持ち、保育施設で14年間勤務。6歳、4歳の2児の母(写真提供は「Family Sitter 仙台」)

■幼児の「遊び食べ」とは?

まちのび:そもそも「遊び食べ」とは、どんな行動ですか?

❤あい先生:自分でご飯を食べようとする1歳前後から始まります。少しずつ手先を器用に動かせるようになり、食べ物に興味が湧いて、例えば食べ物を床に落としたらどういう音がするか、どういう状態になるか、など、確かめようと食べ物にさわったりします。

また、食べ物をにぎってぐちゃぐちゃにすることもありますが、これも指先の感覚が研ぎ澄まされて、いろいろな感触を確かめたいという成長過程です。

このように、食べ物で遊ぶような行為や、食事中に立ち上がったり、遊ぶなどの行動を、大人が「遊び食べ」と呼んでいますが、興味や好奇心の現れで、元気に育っている証拠と私たちは受け止めています。

■「遊び食べ」にどう対処する?

まちのび:行儀が悪い、せっかく準備したのにと、イライラしたり怒ってしまうことも……。どう対処したらいいでしょうか。

❤あい先生:食事をぐちゃぐちゃにされたり、食事の時間がストレスになるといったお母さんの悩みをよく聞きますね。時間がない中で、一生懸命食事の準備をして、食べてほしいのに、思うようにいかなくて、ストレスがたまる気持ちは本当に分かります。

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ただ、大人の反応を見て、こういうことをしてはいけないんだなとか、食べてみたら美味しかったっていうような発見や気づきが出てきて、自然におさまってきますね。「少しならいいか、見守ろう」というゆったりした気持ちも必要なのかと思います。

また、食事中にテレビをつけているご家庭も少なくないですが、食事に集中できる環境になっているか見直してみてください。テレビは消して、机の上におもちゃなど子どもが手を伸ばしたくなるようなものがあれば片づけておきたいですね。

また、食事中にご家族が何度も席を立つと、子どももきょろきょろして一緒に立ち上がりたくなるので、食事が始まったら立たなくてもいいように準備しておくこと。例えば、兄弟も一緒に食卓を囲んで、「おいしいね」「これ食べられたらすごいね」「ぽりぽり音がするね」など会話したり誉めたりしながら、楽しい雰囲気で食事をすることも大事ですね。

■食事を楽しむためのちょっとした工夫

◇まちのび:子ども自身が食事することが楽しいと夢中になれる雰囲気をつくることですね。

❤あい先生:子どもが小さいほど、集中できる時間は短いので、1歳なら10分、15分が限度だと思うので、「さあ、食事を始めましょう」「食べ終わったよ」と短く時間を区切ってメリハリをつけるのもいいと思います。あれもこれも食べてもらおうと、つい盛り付ける量が多くなってしまうと、子どものモチベーションが下がってしまいがち。最初は少なめに短時間で食べられる量を盛りつけて、おかわりが欲しかったらあらためて出す。子どもが食べきったという成功体験を重ねることで、次の意欲にもつながっていくと思います。

◇まちのび:怒るのはぐっと我慢ですね。

❤あい先生:お母さんがきつく怒ってしまうと、子どもにとって食事がもう苦痛な時間と感じて、座ることもイヤになってしまうことも。そうならないように、食事の導入として、できるようになったら食事の準備のお手伝いをお願いするのも、モチベーションにつながると思います。レタスをちぎったり、トマトのヘタをとるとか、エプロンやスプーンを自分で用意するとか、そういったお手伝いをしてもらうと、楽しみに食卓につけるかと思います。

■□■■□■取材協力:Family Sitter 仙台■□■■□■

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