※この記事は、2022年12月21日、22日に公開した「子どもに鉛筆を持たせるのはいつがいい?」の記事を加筆再構成したものです
子どもに鉛筆を持たせるタイミング…悩ましいですよね。鉛筆は適切な持ち方ができないと、お子さんも書いていて疲れてしまいます。いったい、どのタイミングで鉛筆を持たせるのがいいのでしょうか?
子どもの成長に合わせて、持たせてあげよう
そもそも、小学校低学年で鉛筆を使うのはなぜなのでしょうか。
文部科学省の定める小学校学習指導要領では、特に筆記用具についての指導はありません。しかしながら、小さな子どもは筆圧が強く、シャープペンシルなどを使用するとすぐに芯が折れてしまうなどの弊害があるため、多くの小学校では鉛筆の使用が推奨されているのです。
では、鉛筆を持つ練習を行うのには、いつごろからがいいのでしょうか。
一般的には3歳前後から正しく持てるようになるといわれていますが、お子さんの成長に合わせるのが効果的です。
以下のような成長が見られたら、鉛筆を持たせるタイミングかもしれません。
〇クレヨンで絵を描く際にふらつかない
〇箸の練習を始めた
〇手先を使った遊びを好んで行う
〇積み木やブロックを上手に積み上げられる
〇紙をつかんだり小さな物を摘んだりできる
鉛筆の正しい持ち方とは?
また、小さな子どもは大人の真似をしたがるものです。ママやパパ、お兄ちゃんやお姉ちゃんが鉛筆やペンを持って何かを書いたり、描いたりしているのを見て「やってみたい!」という気持ちになったときも、鉛筆の練習を始める絶好のタイミングといえるでしょう。
正しい鉛筆の持ち方を調べてみると、
1.鉛筆は親指、 人差し指、 中指の 3本の指で軽く持ちます。
2.鉛筆は人差し指に沿わせるように持ちます。 残りの指をふんわりとじます。
3.鉛筆の角度は横からみて 60度くらい、 前からみて 外側に20度くらい傾けます。
(参考:株式会社トンボ鉛筆 トンボのippo)
とあります。
鉛筆の持ち方には「三点持ち」と呼ばれる、親指、人差し指、中指で鉛筆を支える方法が推奨されています。しかしながら、この持ち方には手指の筋力も必要となります。最初から上手に使うのは難しいでしょうから、文具店などで売っている補助具などを利用するのも、ひとつの手です。また、最初のうちは練習の時間を短時間にするのも必要でしょう。そして何より、子どもが楽しく練習できることが大切。できたことを「よくできたね!」などとほめてあげることで、子どもは楽しみながら鉛筆の練習をすることができます。
成長とともに手が大きくなると、きちんと持つことができるようになります。きちんとした姿勢で正しく鉛筆を使うと、お子さんにとっても大きなメリットがあるのです。
鉛筆を正しく使うことのメリットとは?
文部科学省が1998年に、小学生から大人を対象に行なった調査によると、鉛筆を正しく持てている子どもの割合は、どの学年においても1割未満だったそうです。「じゃあ、別に正しく持てなくてもいいじゃない」と思われるかもしれませんが、正しく使うことにはちゃんとメリットがあるのです。
まず、鉛筆を正しく持つことができると、文字を書く際に疲れません。指への負担が少なく、鉛筆の先にうまく力を使えることができるので、筆圧が適切になります。長時間書いていても疲れないので、集中力も続くようになり、結果的に学習能力の向上が期待できるのです。
東大生の8割が鉛筆を正しく持つことができるといわれているデータもあるようですので、お子さんにはぜひ、正しい使い方をマスターさせたいものですね。
お子さんを勉強嫌いにせず、学習能力を向上させるためにも、適切な時期に、正しい持ち方で鉛筆を持たせてあげてくださいね。