寒さが和らいでくると、多くの人が悩まされるのが花粉症です。特に、近年は子どもにも花粉症の症状が増えており、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどに悩まされるケースが多く見られます。鼻アレルギー診療ガイドライン（2024年版）によると、スギ花粉症がある子どもの割合は0～4歳で3.8%、5～9歳で30.1％、10～19歳で49.5%。特に5～9歳でスギ花粉症のある子どもの数は、2008年から2019年の10年間で2倍以上に増えているとの報告もあるほど。この記事では、子どもの花粉症対策について、日常生活で実践できる予防法やケア方法を紹介します。
子どもの花粉症の症状とは？
子どもの花粉症の症状は、大人と同じようにくしゃみや鼻水、目のかゆみ、鼻づまりが主なものですが、以下のような症状が見られることもあります。
〇目をこする、充血する
〇鼻を頻繁にすすり、不機嫌になる
〇皮膚がかゆくなる、湿疹が出る
〇集中力が低下し、学習や遊びに影響が出る
特に、この時期は風邪やインフルエンザも流行し、その区別がつきにくいのも親には悩ましいでしょう。毎年同じ時期に同じような症状が出るかどうかを確認しましょう。
花粉症の基本的な対策
花粉症の症状を軽減するためには、花粉をできるだけ避けることが大切です。日常生活の中で取り入れられる具体的な対策を紹介します。
1.外出時の対策
〇マスクを着用する（子ども用のサイズを選ぶ）
〇つばの広い帽子やメガネで花粉の付着を防ぐ
〇花粉の飛散が多い日は外出を控える
〇帰宅後は、衣類や髪の毛についた花粉をしっかり払う
2.室内での対策
〇帰宅後すぐに手洗い・うがい・洗顔をする
〇洗濯物は室内干しや乾燥機を活用する
〇空気清浄機を使い、室内の花粉を減らす
〇こまめに掃除をし、花粉が溜まらない環境を作る
3.食事でできる花粉症対策
食生活も花粉症の症状を和らげるポイントの一つです。免疫力を高めたり、アレルギー症状を抑える働きがある食品を積極的に取り入れたりしてみてください。
〇ヨーグルト：乳酸菌が腸内環境を整え、免疫バランスを調整
〇青魚（サバ・イワシなど）：DHAやEPAが炎症を抑える作用あり
〇緑黄色野菜（ブロッコリー・ほうれん草など）：抗酸化作用が期待できる
〇レンコン・バナナ：粘膜を保護し、アレルギー反応を抑える働きがある
加工食品や糖分の多い食品は控えめにすることで、体内の炎症を抑えやすくなります。
4. 花粉症の治療法
もし症状が重く、日常生活に支障をきたす場合は、医師の診察を受けることも大切です。子どもに適した治療法には以下のようなものがあります。
〇抗ヒスタミン薬の服用：かゆみやくしゃみを抑える
〇点鼻薬・点眼薬：鼻づまりや目のかゆみを和らげる
〇アレルゲン免疫療法：長期的に症状を抑える治療法（医師と相談の上、検討）
子どもの花粉症は、日々の生活の中で工夫をすることで症状を軽減することができます。マスクやメガネの着用、帰宅後のケア、食事の工夫など、できることから取り入れてみましょう。また、症状がひどい場合は、医師に相談し適切な治療を受けることも重要です。春を快適に過ごすために、早めの対策を心がけましょう。
