女性のお祭り―世界編― <前編>

もうすぐ、ひな祭りですね。これまで「まちのび」では、日本のひな祭りの歴史などについて紹介してきました。女の子の健やかな成長を願うお祭りは、日本だけのものなのでしょうか? ということで、今週は世界に目を向けた「ガールズフェスティバル」を紹介します。

ひな祭りは、日本では3月3日に行われる伝統的な祭りで、小さな女の子たちを讃えます。この祭りは、彼女たちの健康と成長を祈り、彼女たちが長く美しく育っていくことを願います。
このような女の子を讃える祭りは、世界中にも存在します。

ひな壇にお人形!? インドの女神を讃える祭り

その代表が、インドの「ナヴァラトリ」です。これは、インドのヒンドゥー教徒によって毎年秋に祝われる、9日間にわたる祭りで、神さまたちの勝利を祝い、人間の精神的な浄化を促すとされています。

ナヴァラトリの期間中、人々は豊穣と繁栄を象徴する女神ドゥルガーを讃えます。ドゥルガーは9つの異なる姿で表されていて、たとえば、祭りの初日には、ドゥルガーは乗馬姿で現れ、勇気と力強さを表します。そして、別の日には、知恵と学問の象徴である知識の女神の姿で現れます。

ナヴァラトリは、多くの地域で様々な形で祝われています。一部の地域では、人々は絵画や彫刻、ライトアップされた装飾品などを使って、ドゥルガーの姿を表現します。地元の人々は、朗読されるヒンドゥー教の聖典や、ナヴァラトリに関する物語を聞いたり、歌ったりするそうです。

ナヴァラトリの最後の日には、ビジャヤダシャミと呼ばれる祭りが行われます。この日は、ドゥルガーが悪魔を倒した日で、勝利と新しい始まりを象徴するのだそう。この日は、人々は家族や友人と一緒に祝い、お祭りムードで盛り上がります。また、多くの地域では、人々が持ち寄った料理を食べ合ったり、ダンスや音楽を楽しんだりすることがあります。また、人形をひな壇に飾るなど、ひな祭りとの共通項もあって興味深いですね。

ナヴァラトリは、インドの伝統的な祭りの中で、女性のチカラを大いに表すもの。この祭りを通じて、人々は自分たちの文化や信仰を祝い、家族や友人との絆を深めるのだそう。
いつの時代、どこの国にあっても、女性の力は大きいですね。

<後編>では、ボリビアのお祭りを紹介します。

ライター/岡沼美樹恵