梅雨が明けると、いよいよ本格的な夏の到来です。空は明るく晴れ渡り、洗濯物もすっきり乾いて、気分も軽くなりますね。しかし一方で、気をつけたいのが「熱中症」。特に梅雨明け直後は、体がまだ暑さに慣れておらず、熱中症になるリスクが高まる時期でもあります。
子どもは大人に比べて体温調節が未熟で、水分を失いやすく、症状に気づきにくいのが特徴です。大人がしっかりと注意を払い、未然に防ぐことが大切です。今回は、梅雨明けからの暑さに備えて、子どもの熱中症を防ぐためのポイントを5つに絞ってご紹介します。
暑さに慣れる「暑熱順化(しょねつじゅんか)」を
意識しよう!
梅雨明け直後は、突然気温が高くなるため、体が暑さに対応しきれず熱中症を引き起こしやすくなります。このときに必要なのが、「暑熱順化」。これは、少しずつ暑さに体を慣らしていく過程のことです。
子どもと外で遊ぶ時間を、最初は10分程度の短時間から始め、徐々に延ばしていくとよいでしょう。屋外に出られない日は、室内での軽い運動や、お風呂でしっかり汗をかくのも効果的です。
こまめな水分補給を「のどが渇く前」に
子どもは遊びに夢中になると、自分で水分を欲しがらないことがあります。しかし、のどが渇いたと感じるときには、すでに軽い脱水が始まっていることも。大人が時間を決めて、こまめに水分をとらせる習慣をつけましょう。

おすすめは、冷たすぎない常温~少し冷たい程度の水や麦茶です。たくさん汗をかいたときは、塩分やミネラルを含んだ経口補水液も有効です。経口補水液は、水、砂糖、塩、飲みやすさのためにレモン汁などを加えて自作することも可能です。医師がブログなどで紹介しているものもネット上にたくさんありますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
通気性と吸湿性に優れた「夏の服装」で体温調節を
熱中症を防ぐには、服装選びも重要です。子どもの肌は敏感なので、汗を吸いやすく、風通しのよい素材を選ぶことがポイント。綿や麻など、天然素材を使った薄手のTシャツやズボンが理想的です。
色も、白やパステルなどの淡い色合いを選ぶと、太陽光を吸収しにくくなります。また、帽子はつばが広く、通気性のあるものを選ぶことで、日差しから頭部を守りましょう。
外遊びの時間は「午前中か夕方」に!
夏の日中、特に午後1時から3時ごろは気温も日差しもピークに達します。この時間帯の外遊びは避けるのがベストです。なるべく午前中の涼しい時間帯や、夕方にシフトしてあげましょう。

また、日陰や屋根のある公園、風通しのよい場所を選ぶことも大切です。近年は、気温だけでなく「暑さ指数(WBGT)」をチェックできるアプリやサイトもあるので、活用すると安心です。
家の中でも油断せず、室温・湿度管理を忘れずに
熱中症は、必ずしも外で起こるわけではありません。家の中でじっとしていても、室温や湿度が高ければ発症のリスクがあります。特に寝室や昼寝をする部屋は要注意です。
室温は28度以下、湿度は60%以下を目安に、エアコンや扇風機を活用しましょう。「冷房を使いすぎるのが心配」という声もありますが、無理に我慢させる方がリスクが高くなります。風が直接当たらないよう調整しながら、快適な環境を保ってください。
子どもの様子をよく観察し、早めの対応を
子どもの熱中症は、ほんの少しの油断から起こることがあります。「顔が赤い」「元気がない」「頭が痛い」など、いつもと違う様子があれば、すぐに涼しい場所へ移動し、水分と塩分を補給しましょう。
暑さと上手につきあっていくためには、日々の小さな工夫の積み重ねが大切です。親子で快適な夏を迎えるために、梅雨明けの今こそ、熱中症対策をしっかり見直しておきましょう。