さまざまな悩みや状況を抱える中学生・高校生が放課後に安心してほっとひと息つける場所、学校でも家庭でもなく、のびのびと過ごせる居場所が少ないと言われています。
今回は、中学生・高校生の居場所として仙台市太白区長町で月2回開催している「kuruto(くると)ながまち」を紹介します。
中高生が自由に過ごす場所
中高生のための居場所「kuruto(くると)ながまち」は、前回紹介した乳幼児のおやこひろば「くるとこながまち」と同じ場所、JR「長町駅」より徒歩3分、または仙台市地下鉄「長町駅」より徒歩5分にある森民ビルの2階で開催しています。
日程はInstagramなどでお知らせしていますが、週2回、午後の決められた時間内は出入り自由。大学生のスタッフと一緒に卓球やアナログゲーム、おしゃべりをしたり、ギターやキーボードを演奏したり、自習スペースで勉強したり、漫画を読むなど、好きなように過ごせます。
「kuruto(くると)ながまち」の参加者数は以下のとおり。
令和3年度は128回開催、延べ277名参加。令和4年度は80回開催、261名参加。参加回数は減っていても1回の参加人数は増えていて、リピーターが多いそうです。
学校とも家とも違う安心できる居場所
「最初は一人で来ても、ゲームなどをして一緒に過ごす時間が増えると自然とつながって友達になる様子が感じられます」と話すのは、(一社)マザー・ウイングの鈴木綾さん。
ある(元)高校3年生から届いた手紙には「学校が嫌いでスクールカウンセラーに紹介されてkuruto(くると)を訪ねて、人生が変わりました。ありのままの自分をさらけ出せた、自分を好きになれた、特別な私の居場所でした」と書かれていました。
「特に中学生は生活のほぼ全てが学校の中になりがちです。kuruto(くると)ながまちに来て、いろいろな人がいること、今苦しんでいる世界だけではなく自分を受け止めてくれる場所があることを知って、ラクになればと思います。
kuruto(くると)には、学校のようなしがらみや評価などはありませんし、私たち大人のスタッフは、先生のように評価する人ではなく、お母さんでもなく、少し先を歩いている人。子どもたちは自由に過ごして、私たち大人も必要があれば手伝うというスタンス。研修を受けた大学生スタッフがいて、身近な先輩にいろいろな話を聞いてもらえることがすごく大きいと思います。
中高生の居場所は増えていますが、kuruto(くると)のように、誰でも参加できて、いつ来てもいい場所は少ないと思います。例えば不登校になった子どもが通う場所はありますが、不登校になりそうなときに羽を休めてエネルギーをもらい学校に行けるようになる、そんな予防的な場所です」(鈴木綾さん)
学校とも家とも違う安心できる居場所
「小学生の居場所は児童館などたくさんありますが、中高生になると行く場所も多様になり好みも分かれて行ける場所がなくなります。そこで、仙台市が中高生の居場所をつくろうと、13年前にのびすく泉中央では中高生の居場所活動を始めました。最初は学校で勧められたという中学生が一人しか来ませんでしたが、今では週末は100人以上が集まります。
理由は、勉強や教師や親とも関連がない場所を心地よく感じているんだなと思い、そこと同じエッセンスをぎゅっとまとめたのがkuruto(くると)ながまちです。
『くるとこながまち』も『kuruto(くると)ながまち』に共通しているのは、基本的にノープログラムで、自由に過ごしてもらうこと。自分でやりたいことを選べることが大事だと思っています。
例えば先輩ママと新米ママ、数カ月違う乳幼児、中高生と大学生というように、異年齢の交流やピアサポート(同じような悩みを持つ人同士がつながり支え合うこと)も増えています。リピーターは多く、参加者にも喜んでいただいていますが、これからは新規の来館者を増やしたいですね」と、代表理事の小川ゆみさん。
開催予定日はInstagramでチェック誰でも安心して自由に過ごせる場所なので、一度訪ねてみては。
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中高生の居場所「kuruto(くると)ながまち」
※来館時は、名前、学校名、連絡先(自宅か保護者の電話番号)の記入が必要です。
申込・問合せ 090-6784-5048
E-mail mother6784@gmail.com
URL https:// mother-wing.jpn.org
Instagram https://www.instagram.com/kuruto_9610/
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取材協力/マザー・ウイング
ライター/青葉 桜