仙台市の保育園訪問「シャロームの杜ほいくえん」

子どもが心身ともにスクスク育つ大切な時期を過ごす保育園は慎重に選びたいもの。今回は、仙台市宮城野区田子西にある「シャロームの杜ほいくえん」を紹介します。

多世代と触れあい友達を広げる保育園

「シャロームの杜ほいくえん」は、緑豊かな敷地内に「コレクティブスペースエンガワ」「障がい者サポートセンター」「カフェ」「保育園」が集まる共生型の複合施設「OpenVillage　ノキシタ（以降、ノキシタ）」内にある保育園で、2019年（令和元年）5月に開園しました。園長の加藤陽子さんにお話を伺いました。

Q:「シャロームの杜ほいくえん」の特徴は？

A: 当園の子ども達は、核家族のご家庭が多いため、普段の生活では接する機会が少なくなっているさまざまな年齢の方や、障がいなどをお持ちの方に日常的に接することができて、優しい言葉をたくさんかけてもらえます。そういう経験は、多様性を自然に受け止め、人への優しさや信頼感を育みます。

おかげさまで「シャロームの杜ほいくえん」の子どもたちは、訪れた方達からよく「人見知りしないね」「人懐っこいね」と言われます。「人が好き」ということは、その子自身はもちろんのこと、周りの人たちの幸せにもつながると思っています。

子どもたちの個性や関心に合わせた保育

Q:子どもたちが大好きな取り組みは？

A:その時々の子ども達の興味に合わせて、好きなことを思いきり楽しめるように工夫しています。例えば「えほんプロジェクト」は、毎月、その時の子どもたちの興味に合う絵本を図書館からたくさん借りてきます。電車が好きな子ども達が多かった時は電車の絵本を多めに借りてきたところ、子ども達は毎日テーブルに何冊も広げてみんなでワイワイ話に花が咲いていました。

また、卒園式も電車をテーマにしたオリジナルの式にすることで、イベントの雰囲気が苦手なお子さんも楽しく参加できました。

地域の方と野菜の収穫体験など食育を日常で

Q: 食育の取り組みを教えてください。

A: ノキシタの畑が２カ所あり、「エンガワ」の会員さんが自由に野菜を育てています。地域の農家さんは野菜の収穫時期になると声を掛けてくださいます。おかげで昨年度は、ブロッコリー、スナップエンドウ、玉ねぎなど10種類もの野菜の収穫を体験することができました。 収穫後は調理室で調理し給食で食べたり、時には農家さんに給食のお裾分けをして、大変喜んでいただいています。また、敷地内には実のなる木や草花がたくさん植えてあり、植物の成長を見たり、実を採って食べたり、日常の中にも食育が存在しています。

子どもたちのどんな気持ちを受け止める

Q: 保育園の自慢は？

A:「シャロームの杜ほいくえん」の自慢は何といってもこのノキシタの環境です。この園に通って、ノキシタに集まる方たちと日頃から関わることで、誰もが欲しいであろう「人間力」がアップすると思っています。

また、職員が、子どもたちの自己肯定感を育むため「子どもたちのどんな気持ちも受け入れる」という姿勢を本当に貫いているところが素晴らしいと思います。

職員同士は「お互いさま」の精神で働いていて、保護者から「先生方仲がいいですね」「楽しそうにお仕事をしていますよね」と言われています。

さらに、職員も保護者も「仕事を持つ親」という点では同じと考え、保護者には「職員が保護者の背景を理解しサポートすると同時に、職員自身とその家族も大切にする園したい」と話しています。そうすることで、職員は子どもたちに心の底からの笑顔と愛情を向けることが出来ると思うのです。

Q:子育て中のお母さんにメッセージをお願いします。

A: 同じ敷地内の「エンガワ」では、幅広い年齢の方やいろいろな背景の方が、保育園と同様「お互いさま」の精神でゆるやかに楽しく過ごしています。会員さんやスタッフにお子さんを抱っこしてもらって、お茶を一杯飲んでおしゃべりをするだけでも、気持ちにゆとりが生まれるのではないでしょうか。

そんな温かな環境の中にあるシャロームの杜ほいくえん。ママ・パパ・保育園職員・ノキシタに関わる方たち……みんなで一緒にお子さんを育てていきませんか？

取材協力及び写真提供／「シャロームの杜（もり）ほいくえん」
ライター／青葉桜