「読書の秋」を前に! 子どもを読書好きにするには?

お母さんと子ども

秋の足音が聞こえてきそうな今日このごろ。秋といえば、「食欲の秋」「スポーツの秋」などもありますが、なんといっても一番は「読書の秋」ではないでしょうか? 

「本を読む子どもは頭がよくなる」という話を聞いたことがある人も多いことでしょう。

少し古い資料になりますが、独立行政法人国立青少年教育振興機構が平成25年と平成30年に行った調査によると、読書離れは子ども、大人問わず起こっているようです。「1カ月に読む本が0冊」と答えた人は、平成25年が28.1%だったのに対し、平成30年には49.8%にまで増加しています。本を読まなくなったという子どもも増えているようですが、読書にはどのようなメリットがあり、読書好きな子どもにするにはどうすればいいのか、紹介しましょう。

読書をすることのメリットとは?

語彙力と読解力があがる
物語やさまざまな情報が詰め込まれた文章を読むことで、子どもは新しい言葉や表現に触れることができます。また、そうした言葉や表現を理解し、使う力も養われます。また、知らない言葉が出てきても、文脈からその意味を推察する力もつきます。このような能力は、国語の成績が上がるだけでなく、たとえば算数や数学などの文章題、英語を日本語に訳すなど、ほかの教科の理解力を高める基礎となります。

想像力と創造力が育つ
物語の世界に入り込み、子どもは自分の頭の中でキャラクターやシーンを思い描きます。特に、ファンタジーや冒険物語などのジャンルは、非現実的な世界やキャラクターを通じて、子どもが存在しないものを頭の中で創造します。この想像力は、将来的に創造的な問題解決や、将来的な学問、仕事でも役に立つスキルとなるでしょう。

情報処理能力と集中力
読書は、集中力を必要とします。集中力は、勉強やほかの活動でもいずれ役立つ能力といえるでしょう。また、物語の流れや情報の整理、前後の文脈を理解することで、情報処理能力も身につきます。

共感力アップ
物語を読むことで、子どもはさまざまなキャラクターの視点や感情を体験します。登場人物の喜びや悲しみ、怒りや恐怖などを体験することで、他人の感情を理解し、共感する力が育ちます。この共感力は、人間関係を築く上でとても大切です。友達とや家族、将来的には仕事をしていく上での人間関係でも役立つでしょう。

知識が広がり、知的好奇心が育つ
読書をすることで、子どもは新しい知識や情報を得ることができます。物語だけでなく、図鑑などでデータにふれることで、知識の幅が広がり、知的好奇心が育つことでしょう。本から得た知識は、学校での勉強だけでなく、進学先の決めてになったり、将来的にどんな仕事につくかを選んだりする基準にもなりえるでしょう。

リラックス効果
読書には、リラックス効果もあります。本の世界に没頭することで、現実の問題やストレスから解放され、心を落ち着かせることができます。また、お母さんが夜寝る前に物語を読んであげることで、小さなお子さんが眠りに落ちるように、本を読むことでリラックスして眠りにつくことができます。

読書好きにするには?

では、どのようにしたら、読書好きな子どもに育つのでしょう。上述の独立行政法人国立青少年教育振興機構の平成30年度の調査によると、小学校、中学校、高校を通した読書量の多さにつながる経験としてあがったのが

・本を持ち歩く

・地域の図書館で本を借りる

・同じ本を繰り返し読む

・ジャンルを問わず読む

・目次や前書き、解説など本以外の部分も読む

・図書委員、子ども図書、読書コンシェルジュの活動をする

・絵本を読む

の7項目が挙げられていました。

上記の7つを参考に、ぜひ家庭でも子どもと同じ本を読み、感想を話し合ってみましょう。また、ママやパパが子どものころに好きだった本について紹介してみるのもいいかもしれませんね。この秋は、ぜひ積極的に本とふれあう時間をつくってみてはいかがでしょうか。