育休が終わって職場復帰する方、子どもの保育園・幼稚園の入園や小学校進学を機に仕事を始めるお母さんの中には、育児や子育てと仕事を両立できるか、不安な方もいると思います。「仕事と育児の両立」について、先輩ママで保育のプロにお話を聞きました。
■夫や子どもに家事を手伝ってもらおう
「育休を取得して、子どもが1歳になるタイミングで職場復帰するお母さんは多く、家事や育児で毎日こんなにバタバタしているのに、職場復帰したら大丈夫なのか不安に思っているという声をよく聞きます」。そう話す髙橋愛さん(あい先生)は、2年前に2人のお子さんが幼稚園に入園するタイミングで仕事に復帰。「子どもに携わる仕事がしたい」と、「Family Sitter仙台」で保育家事代行の仕事を始めました。

髙橋愛さん(あい先生)。保育士・幼稚園教諭の資格を持ち、保育施設で14年間勤務(写真提供は「Family Sitter 仙台」)
「幼稚園に迎えに行くのは17時ごろで、帰宅してお風呂、夕食を済ませて子どもたちを21時までに寝かせるというのがほぼ日課です。夫の帰宅は、子どもたちが寝た後なので、平日の家事は私が全部やっていましたが、途中から夕食後の食器洗いや洗濯物干しを頼んだところ、かなり負担が減りました。

今は、子どもたちが成長したので、忙しいときは食後のお皿をキッチンに下げてもらうとか、簡単なお手伝いを頼んでいますが、子ども自身もお手伝いするとお母さんが助かるというのを感じて、喜んで手伝ってくれます。

また保育園や幼稚園から、子どもが熱を出したので迎えに来てくださいといった連絡が入るときはママが対応することが多いと思います。でも、毎回お母さんが仕事を早退や欠勤をして園に迎えに行くのは、職場にも言いにくく、なんで私だけなの、という気持ちになってしまいがち。うちは夫が日によっては在宅ワークもできたので、お迎えは交代でしてほしいとお願いしました」(コメントはすべてあい先生)。
家事は全部ママの仕事と背負わず、夫と話し合い、子どもにも小さなことから少しずつ手伝ってもらうようにするといいですね。
■料理を効率化。家事は完璧じゃなくていい
あい先生は、去年ご主人が単身赴任になり、平日も週末もワンオペに。そこで、時間的に最も負担を感じていた夕食の料理について見直そうと考えました。
「いろいろ試した結果、1週間のうち1~2回はお弁当やお惣菜を買って料理をしない、もう1日はパスタにソースをかけて和えるだけとか、ほとんど手をかけないことにしました。

出来合いのものはコストがかかるし、添加物が気になるという人もいると思いますが、仕事を始めると、あわただしくなります。職場で新しい仕事を覚えたり、職場の対人関係で気を使ったり、家に帰れば、子どもの園の連絡帳の記帳や、小学生なら宿題の採点、準備物の用意など、やることが増えて、家事にかけられる時間がグンと減ります。そして、次第に疲労やストレスがたまって精神的につらくってしまうこともあるので、家事を完璧にこなそうと思わなくていいと思います。
子どもも、保育園や幼稚園で長時間過ごして、夜は疲れてグズグズすることもあります。そういうときに、夕食の準備に時間がかかりすぎると、待ちきれなくて機嫌が悪くなったりもします。さっと準備してさっと食べさせるのもいいと思います。

まずは、夫婦で話し合って夫と家事を分担したり、食器洗浄機や調理家電を使う、ベビーシッターや家事代行を頼むなど、家事の負担をできるだけ減らし、夜はしっかり身体を休めましょう。仕事を開始する前から、仕事に復帰後の生活を想像してシミュレーションして準備しておくと軌道にのりやすいと思います」
育児・子育てと仕事の両立は、家事を自分だけで背負わず、手を抜けるところは抜いて完璧にやろうとしないこと。また、可能なら子育てしながら働きやすい職場を探したり、リモートワークや時短勤務などを利用するのもひとつ。心に余裕をもって、子どもと触れ合ったり会話する時間をとることも大切です。
取材協力:Family Sitter仙台
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