心身が逞しく育つ!「歩く」のすすめ

1991年以来34年ぶりに東京で開催された世界陸上。9月22日まで連日連夜、テレビに釘付けになった方も多いことでしょう。 「走ってみたい、跳んでみたい、投げてみたい」と興味を持ったお子さんもいれば、「いつか子供にも陸上をやらせたい」と思ったパパ・ママも多いのでは?しかし、何事もまず大切なのは基礎。運動能力の基礎となるのはやはり「歩く」ことだと思います。 今回は、幼児期や学童期に「歩く」ことの効果や継続できるコツを一緒に考えていきたいと思います。
幼少期はしっかり歩いて土台作りを
積極的に体を動かす機会が減り「運動不足」の子供が増えていることが文部科学省の調査でもわかっています。外遊びできる公園の減少、共働きの増加など、環境や生活習慣の変化もその要因です。
子供の運動不足が気になる方は、親子マラソンに挑戦や、スポーツ系の習い事もおすすめです。
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しかし、大事なのはやはり基礎。特定のスポーツをはじめる前に、丈夫な土台作りをしてあげましょう。誰でもはじめやすい「歩く」ことの効果は、意外と侮れません。
「歩く」の7つの効果
では「歩く」ことは、子供の発育にどんな効果があるのでしょうか。

運動機能の発達
「歩く」ことで体力がつくだけでなく足腰が鍛えられ、新陳代謝も高まります。縁石をジャンプしたり、植物観察の際にしゃがんだり。散歩中は様々な動きをするので、バランスよく全身が鍛えることができます。
生活リズムが整う
しっかり「歩く」ことで成長ホルモンが分泌され、健康的な発育につながります。「食事が美味しく感じる」「ぐっすり眠れる」といった効果も期待できます。
脳の活性化
「歩く」ことは脳の発達にも効果的です。虫や植物など自然に触れあうことで五感が刺激され脳の神経細胞が活発になり、好奇心も育まれるといわれています。
言語能力向上
「歩く」こと=散歩中は視野も広がり親子の会話も弾むものです。家の中とは違った向き合い方ができ、コミュニケーションの幅が広がり、言語能力の向上も期待できます。
心の安定
「歩く」ことにより、汗をかくと幸せホルモンといわれる「セロトニン」の働きもよくなるといわれています。親も子もストレス解消ができるので、心の健康にもつながることでしょう。
社会性の向上
散歩中は「地域の方との交流」も増えると思います。同年代の親子、高齢の方、犬の散歩をしている方…幅広い年代の方と挨拶を交わし、会話をすることで社会性も身に付き一石二鳥です。
交通ルールを学べる
外を「歩く」ことは車や自転車の飛び出しといった危険も隣り合わせですが、絵本や動画とは違うリアルな体験から学べることはたくさんあります。
また信号や歩行者のマナーなどの交通ルールも学べる良い機会になります。
歩く距離の目安は?

よく耳にするのが「年齢×㎞」。1歳半以降が推奨の目安であり、1歳は1㎞、2歳なら2㎞、3歳なら3km…となります。
しかし、距離にこだわりすぎると義務感が生じてしまいます。まずは子供のスピードに合わせて、気持ちよく歩ける距離からはじめ、何よりも「継続すること」を大切にしましょう!
「歩く」を楽しむ工夫
すぐに「疲れた」「抱っこ」「帰りたい」という子には、遊びの要素や目標をつくりましょう。幼稚園や保育園まで歩ける距離の場合は、時間に余裕がある日だけ帰り道を歩いてみてはいかがでしょうか。「お家が目的地」になるのでおすすめです。ぜひ、色々な楽しみ方を試してみましょう。
例えば…
- 目的地をつくる(公園や駅、消防署など興味があるもの)
- 人形やぬいぐるみとお出かけ(犬の散歩風に)
- 数を覚えたら万歩計や歩数計アプリで歩数を見える化
- お買物がてら往復歩く
- 図鑑を持って自然観察や街中探検
→植物や虫などの図鑑の他、街にあるモノの名前を紹介している街中図鑑などもおすすめ

足首、股関節の柔軟性もチェック
突然ですが、お子さんはこのような「しゃがむ」姿勢が楽にできますか?

最近は「和式トイレ」を利用しなくなったので「しゃがめない子が増えている」ともいわれています。足の裏をつけてしゃがめない場合は、足首や股関節の柔軟性に注意。せっかく歩くことが楽しくなったのに、痛みが出てしまったり、ちょっとした段差で捻ったり、怪我につながることも。
「歩く」を存分に楽しみたいなら同時並行で、日ごろから屈伸運動や、足首の曲げ伸ばし、開脚、前屈などの基本的な柔軟体操なども運動前後やお風呂上りに取り入れてみてください。
「やってみよう!」という今がチャンス

「よし、運動をはじめよう」と思った時がチャンスです。
夕食や朝食前の10分、週末の朝など、決まった時間に「ウォーキングタイム」をつくってみてはいかがでしょうか。
新しいことをはじめるのは、少し億劫ですがワクワクするものです。その一歩が、お子さんの輝かしい未来に繋がるかもしれませんよ!
ライター/泉水四つ葉

仙台市出身のライター。1児の母(小学高学年の女の子)として「スポーツも勉強も全力で、毎日楽しむ」をめざした子育てを日々追求。趣味はマラソンや娘と泳ぎにいくこと。教育本や自己啓発本、教材探しも大好き。基礎水泳指導員資格、ヨガインストラクター2級・全米ヨガアライアンス200取得。少しでも子育てママのお役に立てる情報がお届けできればうれしいです。