子ども健康相談室 ~夏の三大感染症に注意~ <後編>

気温が高くなり、湿度も増す夏は、実は感染症が起こりやすい時期でもあります。そこで今回は、青葉区中央の「師(もろ)小児科医院」院長の師保之(やすゆき)医師に「夏に気を付けたい子どもの三大感染症」についてうかがいました。

※この記事は、2022年6月14日、15日に「まちのび」アプリに掲載されたコラムの再掲載です。再掲載にあたり、加筆訂正を行っています。

プールで感染するわけじゃない!?「プール熱」

厚生労働省のウェブサイトによると、プール熱とは「咽頭結膜熱とは、アデノウイルスの感染により、発熱(38~39度)、のどの痛み、結膜炎といった症状を来す、小児に多い病気です。プールでの接触やタオルの共用により感染することもあるので、プール熱と呼ばれることもあります」とあります。

師医師は「保護者の中には、“プールに入ったからかかった”と思っている方もいるのですが、必ずしもプールでかかるわけではありません。今は、塩素剤できちんと消毒されているので、プールで…というよりも、タオルを共用することでうつることはあるかもしれませんね」と話します。

また、このプール熱を引き起こすアデノウイルスは、流行性角結膜炎、いわゆる「はやり目」や結膜炎などを引き起こすこともあるので、要注意です。

師医師は「目の症状がひどいときは眼科を紹介しています。目の充血や目やにがひどく、かゆくて、まぶしがる症状があったら、眼科も受診しましょう」と教えてくれました。

プール熱や流行性角結膜炎はとても感染力が強いので、手洗い、うがいはもちろんですが、家庭でもタオルの共用などは避け、二次感染を防ぎましょう。

三大感染症ではないけれど、注意したい「とびひ」

とびひは、正式には伝染性膿痂疹という細菌感染によって引き起こされる皮膚疾患です。

師医師は「あせもや虫刺されによるかゆみで皮膚を搔き壊してしまい、そこに溶連菌や黄色ブドウ球菌が感染してしまうことで引き起こされます。ひどくなる子も多いので、じくじくしてきたら、注意してください。抗生剤の軟膏を塗り、症状がひどければ抗生剤の飲み薬も併用します。夏の三大感染症も、とびひも、心配になったらまずは小児科を受診しましょう。また、幼稚園や学校から伝えられる流行情報も気にしてみてください」と話してくれました。

今年の夏も厳しい暑さになりそうです。大人が注意して、夏場の子どもたちの健康を守ってあげたいものですね。

取材協力/師小児科医院 院長 師保之医師
ライター/岡沼 美樹恵

施設情報

師小児科医院

住所/仙台市青葉区中央2-10-17
交通/仙台市地下鉄南北線広瀬通駅徒歩1分
診療時間/8:00~12:30、14:00~15:30(完全予約制・乳幼児健診および予防接種のみ)、15:30~17:30
*最新の診療スケジュールはウェブサイトで確認してください。
休診日/水曜午後、土曜午後、日曜
HP/https://moro-kodomo.com/