夏休み明け、不登校が増えるのはなぜ?

悩む子供

楽しい夏休みも終盤に差し掛かり、「新学期が憂鬱」というお子さんもいるかもしれません。

文部科学省が令和2年に小学校6年生と中学校2年生を対象に実施した調査によると、夏休み以降の出席率は、「まったく学校に行っていない」と答えた小学生は15%、中学生では21%にも上ります(※)。夏休み中は生活リズムが崩れがちになり、遅寝遅起きや不規則な食事時間が続くと、学校の規則正しい生活に戻るのが難しくなります。また、学業の遅れや友人関係のトラブルがある場合、学校生活に対する不安が大きくなることがあります。こうした「学校に戻るのが不安」なお子さんに対する対策を考えていきます。

※文部科学省「不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書

生活リズムの調整
夏休みの終わりごろから、徐々に学校の時間割に合わせた生活リズムに戻す努力をします。具体的には、早寝早起きを促し、規則正しい食事時間を守るようにします。夏休みの中盤からは徐々に学校の時間割に合わせた生活を意識させ、最後の1週間は完全に学校の時間割に戻すようにしましょう。

ストレスの軽減
お子さんの不安やストレスを理解し、それに対するサポートを提供します。例えば、学校生活に関する話を聞いてあげる、悩みを共有することで、安心感を与えます。毎日お子さんと会話する時間を設け、お子さんが抱える問題や不安を共有する場を作ってあげるようにしましょう

ポジティブな環境作り
学校に行くことに対してポジティブなイメージを持たせるようにします。新しい友達との出会いや、新しい学びの機会を楽しみにするような話題を提供します。習い事やアクティビティなどで学校外での学びや楽しみを増やしてあげたり、友達との交流機会を増やしてあげたりするのもいいでしょう。

学校との連携
不登校の兆候が見られた場合、早めに学校と連絡を取り、協力体制を築くことが重要です。学校側も子供の状況を理解し、適切なサポートを提供してくれるはずです。定期的に担任教師とコミュニケーションを取ったり、学校行事やPTA活動に積極的に参加したりすると、学校との連携が取りやすくなります。

専門家の支援
長期的な不登校が続く場合、心理カウンセラーや児童精神科医の支援を受けることを検討します。専門家の助けを借りて、お子さんの心理的な問題を解決する手助けをします。

夏休み明けにお子さんが不登校になる原因はさまざまです。生活リズムの乱れ、ストレスや不安、環境の変化、家庭環境の問題などが影響します。これらの問題に対処するためには、生活リズムの調整、ストレスの軽減、ポジティブな環境作り、学校との連携、専門家の支援、家族のサポートが必要です。具体的なアクションプランを立て、段階的に実行していくことで、安心して学校生活に戻れるようサポートしていきましょう。