夏の終わりの子どもの体調ケア

暑さのピークを越えた8月下旬、朝晩は少しずつ涼しくなってきたものの、日中はまだ厳しい暑さが続きます。この時期、子どもの元気がなくなったり、食欲が落ちたりといった「夏バテ」のような症状が見られることがあります。体力の回復が追いつかないまま新学期を迎えると、体調を崩してしまうことも。今回は、そんな“夏バテキッズ”を防ぐための体調ケアのポイントを紹介します。

夏の終わり、なぜ子どもは体調を崩しやすい?

子どもは大人に比べて体温調節機能が未熟で、気温や湿度の影響を受けやすいと言われています。加えて、夏休み中は生活リズムが乱れがち。寝る時間や起きる時間がバラバラになったり、冷たい飲み物やアイスの取りすぎで胃腸が疲れていたり、プールや水遊びで体を冷やしすぎていたりと、体に少しずつ負担が蓄積されています。

また、冷房の効いた室内と屋外の温度差も、子どもの自律神経に影響を及ぼします。この自律神経の乱れが、食欲不振、疲れやすさ、イライラ、不眠などの症状を引き起こし、“夏バテ”状態を招いてしまうのです。

子どもの“夏バテサイン”を見逃さないで

子どもは不調を言葉で上手に伝えられないこともあります。以下のような様子が見られたら、体が疲れているサインかもしれません。

  • 食欲がない、食べる量が減った
  • なんとなく元気がない、すぐに「だるい」と言う
  • 便秘や下痢が続く
  • 夜なかなか寝つけない、朝起きられない
  • イライラしやすくなっている

こうしたサインを見つけたら、日々の生活を見直し、早めに対策を取ることが大切です。

今日からできる! 夏バテ対策の生活習慣

夏バテを防ぐためには、体のバランスを整える生活習慣がカギになります。無理なく取り入れられる方法を紹介します。

1. “朝ごはん”は簡単でもしっかりと

朝食は体のスイッチを入れる大切なタイミング。食欲がない朝でも、バナナやヨーグルト、具だくさんのスープなど、冷たすぎず、消化に良いものを少しでも摂ることが大切です。水分も一緒に補給しましょう。

2. “温める食材”で内臓をいたわる

冷たい飲み物やアイスが続いた体には、しょうがや味噌、根菜類など、体を温める食材を取り入れるのがおすすめ。夕食には温かい味噌汁や煮物など、ほっとするメニューをプラスしてみましょう。

3. 湯船につかってリラックス

夏はシャワーだけで済ませがちですが、ぬるめのお湯(38~40度)に10~15分ほどつかることで、自律神経のバランスが整い、体の冷えも改善されます。入浴後はしっかり水分補給を心がけましょう。

4. 夜ふかし生活を見直そう

夏休みの夜ふかしが習慣になっている子は、早めに元の生活リズムに戻すことが必要です。就寝時間を毎日15分ずつ早めるなど、段階的に整えていきましょう。夜はテレビやスマホの光を避け、寝る前は絵本の読み聞かせなどで心を落ち着けるのも効果的です。

5. 外遊びは“時間と場所”を工夫して

暑さがやわらいできたとはいえ、日中の外遊びはまだ注意が必要。朝夕の涼しい時間を選び、日陰や風通しの良い場所でのんびり遊ぶスタイルがおすすめです。水分と帽子を忘れずに!

がんばりすぎず、季節の変わり目を一緒に乗り越えましょう

夏の終わりは、大人も子どもも心も体も疲れが出やすい時期です。「しっかり遊ばせなきゃ」「ちゃんと戻さなきゃ」と焦る必要はありません。少しずつ生活を整え、子どものペースに合わせてサポートしていきましょう。

秋の気配が少しずつ近づいてくるこの季節。季節の移ろいを感じながら、無理のないリズムで“いつもの元気”を取り戻していきたいですね。