環境省が運営する「熱中症予防情報サイト」で「熱中症アラート」が出されています。
仙台でも高温・高湿度でまさに危険な状態。子どもの熱中症対策で必要なのは、どのようなことなのでしょうか? 小児科医の佐藤達明さんにお話を伺いました。
体温調節機能が未発達な子どもたちは要注意!
新聞報道によると、2023年6月29日に岩沼市の児童8名が熱中症による症状で病院に搬送されたそうです。県内における熱中症での救急搬送人数は、2023年の6月は116人。そのうち、生後28日未満の新生児、7歳までの乳幼児については、搬送人数は0人でした。しかしながら、子どもが熱中症に強いかというと、それは違います。
小児科医の佐藤先生によると、「体温調節機能が未発達な乳幼児は、熱中症にかかりやすい」と言います。
気温、湿度が高く、日差しが強かったり部屋を閉め切ったりした「環境」と、長時間屋外にいたり、水分補給が足りなかったりすると、容易に熱中症にかかってしまうのです。
また、子どもは遊びに夢中になってしまうがゆえに、水分補給が遅れがちに。国立研究開発法人国立育成医療研究センターでも、「子どもは本人が、『喉が渇いた』と思った時には、かなり水分が失われています」と警告しています。
それでは、子どもの熱中症対策はどのようにすればいいのでしょうか。国立育成医療研究センターでは、
・喉が渇く前に水分補給をさせる
・通気性のよい服を着せる
・外出時は帽子をかぶる
・外出時はこまめに日陰、屋内で休憩する
・車内や屋内でクーラーをかけ、適切な温度管理をする
・ベビーカーは日向に置かない
ことを推奨しています。
せっかくの夏休み。熱中症対策を万全にして、子どもたちに楽しい思い出をつくってあげたいですね。
めまいを感じているようなら、すぐに対処を!
熱中症といっても、軽度なものから、命の危険にかかわる重篤な症状までさまざまです。主な症状としては、めまい、湿疹、筋肉痛、筋肉の硬直、大量の汗、頭痛、不快感、吐き気、嘔吐、虚脱感、意識障害、けいれん、高体温などがあげられます。
少しでも熱中症が疑われるような場合は、涼しい場所に異動移動して応急処置を施してください。
国立研究開発法人「国立成育医療研究センター」によると、
・太い血管のあるわきの下や首などを氷で冷やす
・冷たい濡れタオルで身体を拭く
・風を送る
・涼しい場所に寝かせる…など
の処置が必要だとのこと。
そして救急車を呼ぶ目安としては、
・意識障害
・全身の痙攣
・体温が40度以上
・汗が出なくなる
とのことです。
軽いめまいや頭痛を感じているようであれば、すぐに塩分と糖分が含まれた経口補水液を飲ませ、涼しい場所で衣服をゆるめて休ませましょう。そして、必ず観察を続け、けいれんなどが起こったら、救急搬送するようにしましょう。
大人でも怖い熱中症。きちんと対策して、この暑さを乗り切りましょう!
ライター/岡沼美樹恵