「元気のでるファミリーホスピタル」を目指す宮城県立こども病院 レポート前編

仙台市青葉区落合にある「宮城県立こども病院」は、東北で唯一の小児専門総合病院です。病院は、病気になったときだけお世話になるので、よく知らないという人がほとんどではないでしょうか。今回は、宮城県の小児医療を支える「宮城県立こども病院」を訪問し、同病院の理念や目的、取り組みなどを伺いました。

子どもの成長を育む医療と療育を行う中核施設

Q:東北唯一のこども病院(高度小児専門病院)、そして小児医療と療育の中核施設としての役割、重視していることを教えてください。

A:「宮城県立こども病院」は2003年11月に、東北唯一の小児周産期(妊娠22週から出生後満7日未満の期間)・高度専門医療施設として開院し、2016年3月に宮城県立拓桃園と統合しました。これにより、小児・周産期の急性期から慢性期、リハビリテーション、在宅医療までを一貫して担う小児医療・福祉施設になりました。

明るい本館外来受付(写真提供はすべて宮城県立こども病院)

当院は、子どもの病気も家族の生活の一環としてとらえ、病気であっても日々成長・発達する子どもが、家族と一緒に安心して病気に立ち向かうことができ、多くの人に支えられながら、恵まれた自然環境の中で普通の生活がおくれるよう、子どもの成長を暖かく見守る「元気のでるファミリーホスピタル」を目指します。

高度な医療だけでなく子どもの成長を育む医療環境を提供

◆Q:「宮城県立こども病院」が取り組む医療、理念・方針について教えてください。

A:当院の理念・方針としては、子どもや家族の視点を尊重し、成長に応じた総合的な医療を提供し、次代を担うすべての子どもたちが生きる喜びを感じていのちを輝かせることができる社会の実現を目指しております。

自然豊かなプレイガーデン

これに基づく当院の設計理念として「元気の出るファミリーホスピタル」を掲げています。子ども一人ひとりをしっかりと見つめ、質の高い医療を提供するだけではなく、子どものご家族と一緒に過ごす権利、一緒に遊ぶ、一緒に学ぶ権利など、そういう医療以外の部分も含めて、サポートできることをしっかり取り組んでいきたいと考えています。

おひさまラウンジ(食堂)

遠方からの入院や長期入院など、家族の不安が高まる状況も多くあり、子ども達へのケアだけでなく、そのご家族も大事にしていきたいと考えております。

Q:宮城県立こども病院には、病院以外の施設も併設していると伺いました。

A:当院に入院している小・中学生が学べる肢病併置の特別支援学校の「宮城県立拓桃支援学校」や、当院、東北大学病院などに入院・通院している20歳未満の患者さんと付添いの家族が泊まれる宿泊施設「ドナルド・マクドナルド・ハウスせんだい」があります。「ドナルド・マクドナルド・ハウスせんだい」は、おなかの赤ちゃんに病気があることが判明し、当院での胎児治療が必要な妊婦さんも宿泊可能です。

また、職員の福利厚生として院内保育所「まほうのもり保育園」も設けており、職員の子育てと仕事の両立を応援しています。

来週配信の後編では、「元気の出るファミリーホスピタル」について、より詳しく話を伺います。

ライター/青葉桜

◆◇◆ 取材協力 ◆◇◆

施設名/宮城県立こども病院
住所/宮城県仙台市青葉区落合4-3-17
アクセス/仙台駅より車で約20分、仙台宮城I.C.より車で約7分、JR仙山線「陸前落合駅」より徒歩10分、バス停「宮城広瀬高校・こども病院前」より徒歩5分
駐車場/有
診療時間/9:00~16:30
TEL/0570-003-876(ナビダイヤル)
休診日/土・日・祝、年末年始(12月29日から1月3日) ※診療は紹介予約制です。
HP/https://www.miyagi-children.or.jp/