頑張り過ぎない子育てとは？

マザー・ウイング代表に聞く

仙台市の子育て家庭を支援する一般社団法人「マザー・ウイング」。代表理事で子育ての先輩である小川ゆみさんに、お話を聞きました。

■マザー・ウイングの活動内容

「子育て支援は、まずはお母さんを支えること」を基本理念に、子育て家庭を支援しているマザー・ウイング。仙台市泉区の「のびすく泉中央」、名取市の「COCOI’ ll（ここいる）」の2つの公的な子育て拠点施設を指定管理者として運営するほか、太白区長町で未就学児とママのおやこひろば「くるとこながまち」、中高生の居場所「kuruto（くると）ながまち」を運営。そのほか、乳幼児のママの心のケア事業、子育て支援者育成事業、家庭訪問型子育て支援「ホームスタート仙台つばさ」など、さまざまな子育て事業に取り組んでいます。

小川さんは、神奈川県出身で東京のメーカーの企画・広報の仕事をしていましたが、ご主人の転職で仙台に移住。

妊娠8カ月のときだったので就職はせずに母親向けの情報サイトを制作・運営をボランティアとして始めました。その後、「のびすく仙台」の設立の運営に関わりたい人たちが共同事業体をつくったときに理事になり情報を担当していました。

仙台市内2カ所目の「のびすく」ができるときに、新たな子育て支援団体「マザー・ウイング」が設立されました。当時の代表理事（男性）が、「子育て中のお母さんが羽をつけて羽ばくように頑張りなさい」とマザー・ウイングと名づけました。そして「のびすく泉中央」の指定管理事業をスタート。小川さんは、当初は東日本大震災後の心のケア事業の立ち上げを担当していましたが、約5年前に代表理事に就任しました。

■教えるのではなく一緒に考える

Q:「くるとこながまち」「kuruto（くると）ながまち」で心掛けていることは？

小川さん：どちらも出入り自由でノープログラムの『自分で選べる』場所です。私たちは先生でもないし、アドバイスをする場所ではありません。アドバイスなどを求められたときは、すぐに自分の考えや経験などを話したりしないで、同じ目線で一緒に考えて、本人の考えや選択を聞くことを大事にしています。

Q:マザー・ウイングは事業範囲が幅広いですが、大変ではないですか。

小川さん： 行政関連施設は2カ所を運営していますが、名取市や長町では、私がPTAや近所で知り合ったお母さんたちを巻き込んでグループ化してやっています。私は、お母さんたちがほしいものとやりたい人をつなぐコーディネートのような役割をしています。

そうしているうちにいつのまにか事業が増えて、今では子育てに関することは何でもワンストップでやっています。

中でも力を入れているのは、ママたちの心のケアです。私たちは保育士でも心理士でもありませんが、『敷居が低く話せる人のサポートが必要』と専門家の方々にも言っていただいています。お互いに言って聞き合う『ピアサポート』が大事で、そういう場所を増やしていきたいです。私自身も子育てにすごく思い悩んだ親だったので悩みを共有できますし、ピアサポートの大切さがわかります。