「医食同源」の言葉通り、食べるものが健康に与える影響はとても大きなもの。
「子どもにも、体にいいものを食べさせたい!」と考えるママやパパも多いのではないでしょうか。
そこで、漢方理論から導く、この時期、子どもたちに食べさせたい「子ども薬膳」をご紹介。漢方上級スタイリストとしてさまざまな人たちの体の不調に耳を傾け、改善へと導いている大町桜花枝さんに、冬の対策を伺いました。
冬は、体を温める食材で!
いよいよ本格的に寒くなってきました。冬は動物、虫などが活動を控え、草木もじっと栄養を貯蔵する季節となっています。私たち人間も動物ですので、春に備えてエネルギーを蓄えることが大切。冬眠しない人間は身体を温める食材を取り入れ乗り切ります。また、この時期、五臓に変調をきたす冬の「寒邪」の影響で風邪をひいてしまうお子さんも多いことでしょう。そんなお子さんの風邪予防にも、ぜひ身体が温まる食材を積極的に取り入れてあげてください。
いつもご説明している通り、漢方には、「木(もく)」「火(か)」「土(ど)」「金(ごん)」「水すい)」の五つの要素で成り立っているという「五行説」が応用されています。
人間のからだも五行と深いつながりが
「木」「火」「土」「金」「水」には、それぞれに特徴があり、人間の体の五臓とつながっているとされています。五臓では、肝は木、心は火、脾は土、肺は金、腎は水とつながっています。そして、漢方では食べ物を五つの色赤・緑・黄・白・黒に分類しています。また、味についても「五味」に分かれていて、辛(しん)、苦(く)、甘(かん)、鹹(かん:塩からい)、酸(さん)となっています。これを踏まえて、冬に取り入れたい食材について説明します。
冬に積極的に摂りたいのは、黒の食材
五行では、冬の季節は「腎」を補うことが大切です。腎は、生殖機能をつかさどるもの。五色では「黒」となりますので、「黒」の食材を取り入れてください。
具合的取り入れたい食材としては、黒ごま、くろまめ、海藻類、黒糖などです。
普段のお砂糖を黒糖に変えるだけでもOK。
また、五味は「鹹」なので、海苔、わかめ、昆布や魚介類をとることをおすすめします。
そして、鶏肉、ラム肉、海老、しょうが、ねぎなど身体を温める効果のある食材と組み合わせて食べるようにしましょう。
鶏肉のしょうが鍋
鶏もも肉をメインに、白菜やにんじんやきのこなどの好きなお野菜、しょうがを加えたぽかぽか鍋です。我が家では、顆粒の中華だしにほんの少しの塩、しょうゆを加えてスープにし、すりおろししょうがを入れます。小さなお子さんはしょうがの味が苦手…という子もいるかもしれませんので、加減してみてください。
ホッと一息、黒糖豆乳ラテ
おやつに最適な飲み物が、豆乳と黒糖をつかった「黒糖豆乳ラテ」。
作り方は簡単!鍋で温めた豆乳に、黒糖を加えるだけ。甘すぎないようにつくるのがオススメです。少し冷ましてから、あげてください。親子でフーフーしながら飲むのも、ほっこり。
「豆乳が苦手だから牛乳でつくる」という場合は、ちょっと注意が必要。牛乳は身体を冷やす食材となるため、必ず温めてあげてくださいね。
話し手/大町桜花枝さん
漢方臨床指導士・漢方カウンセラー。自らの不定愁訴をきっかけに漢方を学び始めて実践したところ、体の不調が改善。主に女性の体調不良の相談に乗っている。中学生の男の子のママでもある。
聞き手・ライター/岡沼美樹恵